毎朝ぐずるのも、毎晩寝ないのも、食欲がないのも、便秘なのも、ケガや病気が多いのも、勉強できないのも、すぐにキレたり、心が折れたりするのも、もしかしたら正しい睡眠がとれていないことが原因かもしれません。大人にとっても大切な睡眠ですが、子どもにとっても一生に関わる、ものすご〜く大切なものなのです。それに、正しい睡眠をきちんと取らせることができれば、ママのイライラも減らせるはず!今回は、こちらの本を参考にまとめてみました。
🔹さくさく読む目次
なぜ子どもに正しい睡眠が必要なのか?
大人子ども問わず、睡眠の役割は、脳と体に休息を与える、成長ホルモンの分泌を促す、記憶の整理をと固定をすることです。さらに子どもにとって睡眠は「脳を育てる時間」でもあります。
正しい睡眠がとれる(脳が育つ)と、子どもは体調が万全で、学習能力もあり、感情の制御もできて、衝動性が低く、論理的思考ができて、対人関係でも相手のことを考えて振る舞える、そんな成人になる確率が高くなります!!だから、子どもにとって睡眠は、一生涯を幸せにすると言っても過言ではないほど、大人以上にとってもとっても大切なのです。
東北大学の加齢医学研究所による5〜18歳の子どもを対象とした調査では、平日に睡眠時間を十分にとっている子の方が、脳の「海馬」という記憶を司る部位の体積が大きいことが明らかになっています。
睡眠で、育てるべき脳は大きく3つ。
- からだの脳…0〜5歳に育つ
- おりこうさん脳…1〜18歳に育つ
- こころの脳…10歳以降に育つ
それぞれ育つ年齢が違います。だから、育てるべき順番に沿って脳を育てていくことが大切です。
詳しく説明すると…
1.「からだの脳」(脳幹、間脳、小脳)…0〜5歳に育つ
脳幹や間脳、小脳など脳の芯に当たる部分です。生きていくために最低限必要な機能を司っています。具体的には、起きる、寝る、食べる、体を動かす、危険に察知する(扁桃体)などです。
「からだの脳」の育て方
「からだの脳」は五感の刺激で育ちます。その中で最も重要なのは、朝は明るい、夜は暗いという太陽の光刺激、視覚の刺激です。毎日の生活の中で規則正しく刺激されることで、成長ホルモンやセロトニン(脳を落ち着かせてくれる物質)など、体調環境を整える重要な物質が分泌されるようになります。0〜5歳の時期に意識して、規則正しい生活、そして朝日を浴び、五感からの刺激を与えましょう。
2.「おりこうさん脳」(大脳新皮質)…1〜18歳に育つ
「からだの脳」を覆うしわしわの脳です。この脳では、言葉を獲得する、細かいからだの動きを発達させる、知識をため込むという仕事をしています。勉強やスポーツの能力に関係してきます。
「おりこうさん脳」の育て方
勉強はもちろん、遊びの中の対面や友達同士や大人との語らいの中で学習の刺激を与えましょう。日中学習して、夜はしっかり寝ることで、学んだことが脳に定着してします。つまり、いっぱい遊んで、喋って、ぐっすり眠ることで「おりこうさん脳」は発達します。
3.「こころの脳」(主に前頭葉)…10歳以降に育つ
「こころの脳」とは、「からだの脳」と「おりこうさん脳」を結びつける神経のつながり、すなわち回路の部分(セロトニン)、そして前頭葉です。「からだの脳」で起こった原始的な喜怒哀楽や衝動などがこの神経回路で前頭葉に繋がります。そこでそれまでに作り上げられた「おりこうさん脳」に蓄えられた知識、情報をもとに、与えられた課題を適切に思考・判断する機能を司っているのが「こころの脳」です。
「こころの脳」の育て方
10歳以降に、セロトニン神経回路が前頭葉とつながり、「こころの脳」として働き出します。しかしセロトニン神経の核がある「からだの脳」が0〜5歳の間にきちんと発達していなければ、「こころの脳」も十分な発達が期待できないのです。「からだの脳」がきちんと育った後、「おりこうさん脳」に知識や経験、記憶が十分蓄積されてから、最終的にそれらを前頭葉で統合していくことで発達していきます。つまり、「からだの脳」と「おりこうさん脳」をきちんと育てることが、「こころの脳」を発達させます。
子どもにとって「正しい睡眠」とは?
それはズバリ
- 年齢に合わせた十分な睡眠時間をとること
- 太陽が沈んでいる間は眠ること
- 上の2つが習慣として身についていること
です。
特に1の睡眠時間について説明します。
十分な睡眠時間とは?
ノンレム睡眠とレム睡眠を4〜5回繰り返す睡眠時間が「十分な睡眠時間」です。入眠後最初のノンレム睡眠で最も深い眠りのレベルになり、だんだん深さは浅くなっていきます。
小さい頃は、大人と違って、ノンレム睡眠とレム睡眠の交互のリズムが定まっておらず、効率よく繰り返せないため、多めの睡眠時間が必要になります。5歳の子どもが一晩に眠らなくてならない時間はおよそ11時間です。夜8時に寝つき、朝は7時に目覚める、という生活です。一晩に11時間の確保が難しければ、せめて、一晩10時間の睡眠を目指しましょう。毎日20時〜21時ごろ眠たくなるのが理想です。
0〜1ヶ月 16〜18時間
1〜3ヶ月 14〜15時間
3〜6ヶ月 13〜14時間
6〜12ヶ月 11〜13時間
1歳 夜11時間半+昼寝2時間15分
1歳半 夜11時間半+昼寝2時間
2歳 夜11時間半+昼寝1時間半
3歳 夜10時間45分+昼寝1時間15分
4歳 夜11時間半 ※昼寝する場合は1時間以内に留める
5歳 夜11時間
※小学生の理想の睡眠時間は大体10時間です。
・・・・《補足》・・・・・・
ノンレム睡眠…脳の深い部分が休んでいる状態で、脳と体の疲労回復が行われ、成長ホルモンが大量に分泌されている。成長ホルモンは、骨や筋肉を作り、身長を伸ばします。また、免疫力を高め、怪我や病気に強い体をつくります。
レム睡眠…起きているときと同じような脳波を示している、活発に活動。脳が盛んに機能することで記憶の整理と固定が行われています。
補足・なんかすごく大切そう!「セロトニン神経」
子育ての目標を「こころの脳」が育つことにするならば、「こころの脳」の中でも大切な役割を果たしているセロトニン神経ってものすごくキーになってくるのでは?!セロトニン神経を発達させる方法をまとめてみました。
セロトニン神経をしっかり発達させるにはどうすればいい?
- 朝日を浴びる…セロトニンの分泌のピークである朝5〜7時に太陽の光を浴びて、視覚から刺激を与える生活をしましょう。
- バランスの取れた食事をとる…栄養バランスを考えられた食事
- 体を動かす…セロトニンが多く分泌される朝の時間に、リズム運動をするとさらにセロトニンの分泌が高まる。ものを食べるときの咀嚼もリズム運動ですから、朝ごはんを食べる行為自体も十分有効です。
- 十分な睡眠をとる…セロトニン神経はノンレム睡眠の時に活性化しています。朝と睡眠時のセロトニン分泌をしっかりさせることでより一層、子どもの脳の発達が促されます。
- 不安がない生活を送る…不安を安心に変え、論理思考をつかさどるのがセロトニン神経です。不安が多すぎる生活をしていると、セロトニンはたくさん分泌され消費してされます。すると、次に起こる心配事に対処できなくなり不安はどんどん増大します。なるべく、不安の少ない環境で生活させることを心がけましょう。
これを踏まえて我が家の睡眠を変えました!
Before
- 夜の睡眠が8〜9時間しかとれてなかった
- 入眠21時頃と遅く、朝はちょうど5時起きと早すぎる
- 昼寝が16時以降までかかってしまうことがあった
- 東側の部屋で、遮光カーテンでない黄色のカーテンで朝が眩しすぎた
After
- 昼寝をしない、もしくは1時間以内で15時までに起こすようにした
- 16時半までにお風呂に入るようにし、布団に19時、遅くとも19時半までにいくようにした
- お昼寝をしなくなったので、眠気がしっかりあり布団にいって15分とかからず入眠するようになった
- 眠りも以前より深そう
- カーテンを遮光カーテンに変えた
- 朝日は以前同様、カーテンを開けて浴びるようにしている
- 朝のものすごく早起きが減って、6時にぴったり起きることが増えた
- 夜の睡眠時間が10時間〜11時間とれるようになった
19時台に子どもが寝つき、自分の時間も増えて、朝も以前より寝てくれるようになって嬉しいことばかり!!ただし、昼寝をしていないので、夕方からずっと眠そうで少しかわいそうになります。でも、トータルで睡眠時間は変わっていないのです。これからもこの流れを習慣にし、「からだの脳」をしっかり育ててあげたいと思います。
それでも、朝早く起きる日もあるし、お昼寝してしまう日もあったり、用事があって寝るのが遅くなったりすることもあります。そのあたりは臨機応変に「こうでなきゃならない!」と気合いを入れすぎず、やっていこうと思います。
以上、子どもに正しい睡眠をとらせて、しっかり脳を育ててあげましょう!そうすれば、子どもがキレたりすることも減って、ママのイライラも減らせることでしょう!今回は、そんな睡眠の話をさせていただきました^^
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