努力と、遺伝的な才能はどちらが最後は勝つのでしょうか?私のような、普通の父と母に生まれてきた普通の我が子を持つ凡人な私としては、ずっと気になっていたところです。今回は、心理学者アンジェラ・ダックワース著『GRITやり抜く力』より、その謎に迫ります。
🔹さくさく読む目次
「2倍の才能」があっても、「1/2の努力」では負ける
よかったー!何かの達成には、生れながらの才能はもちろん大切ですが、努力はそれ以上に大切なのです!私たちは誰しも、知能の約50%を生まれつきの能力、そして、残り半分を生育環境によって左右されているのです。しかも、賢くなる遺伝子はまだ発見されていないのだとか。
だから、才能がないからと諦めてしまう必要はないのです。努力をしなければたとえ才能があっても宝のもち腐れ。努力をしなければ、もっと上達するはずのスキルもそこで頭打ち。努力によって初めて才能はスキルになり、努力によってスキルが生かされ、さまざまな物を生み出すことができます。私たちが功績があって才能があると思っている人も、生まれ持った才能以上に努力を重ねてきた人である可能性が高いのです。なぜなら、達成への方程式では「達成」を得るには、「努力」が2回影響するからです。
才能×努力=スキル
スキル×努力=達成
ここで言う才能の意味は「努力によってスキルが上達する速さ」のこと。この生まれ持った才能は確かに大切な要素であるし、達成にはスポーツの場合は優れたコーチや教師との出会いなどの「機会」に恵まれることも非常に重要です。しかし、同じ状況下に置かれた人々がどれだけ達成できるかは、上の方程式に「努力」が二つ入っているように、「才能」以上に「努力」が鍵なのです。そして、努力とは、この本のタイトルにあるように「やり抜く力」が備わってなければいけません。ただし、「ものすごく頑張る」と「やり抜く力」は違います。「やり抜く力」とは、一つの重要な目標に向かって、長年の目標に向かって、長年の努力を続けることなのです。しかしながら、やり抜く力の高さは個人差があり、それ自体も遺伝的な要因と育ってきた環境によって決まり、とても高い人はごく僅かなのです。
偉大な人と普通の人の決定的な違いは「動機の持続性」
偉業を達成する人々は「一つのことをひたすら考え続け、ありとあらゆる物を活用し、自分の内面に観察の目を向けるべだけでなく、他人の精神生活も熱心に観察し、至るところに見習うべき人物を見つけては奮起し、あくなき探究心を持ってありとあらゆる手段を利用する」人々なのです。そして、知能のレベルは最高でなくても、最大限の粘り強さを発揮して努力する人は、知能のレベルが最高に高くてもあまり粘り強く努力してしない人より、はるかに偉大な功績を収めるそうです。偉大な人々と普通の人の決定的な違いは、「動機の持続性」。「動機の持続性」とは以下4点を意味します。
①遠くの目標を視野に入れて努力している(その日暮らしとは正反対の態度)。晩年への備えを怠らない。明確な目標に向かって努力してしている
②一旦取り組んだことは気まぐれにやめない。気分転換に目新しさを求めて新しいものに飛びつかない
③意思力の強さ、粘り強さ。一旦目標を決めたら守り抜こうと心に誓っている。
④障害にぶつかっても、諦めずに取り組む。粘り強さ、根気強さ、辛抱強さ
子どもたちには、仕事や趣味など好きなものにおいて、「やり抜く力」の高い人になってほしい、そんな大人に育ててあげたい思うのでした。真のやり抜く力があれば、きっとどんなことだってできます。幸せに生きるためにも、やり抜く力は、重要なポイントになってくるのでしょう。
あなたの「やり抜く力」はどれくらい?
子どもの「やり抜く力」を育てる前に自分はどうなんだろうか。この「やり抜く力」は、次の10の質問に答えることで、今の自分がどれくらいなのかを知ることができます。各文を読んで、5つの選択肢より当てはまると思ったものにマルをつけましょう。あまり考え込まずに、同僚や友人と比較してどうか、またはたいていの人と比べてどうか、と考えて回答してください。合計して10で割った数値があなたのスコアとなります。
①新しいアイディアやプロジェクトが出てくると、ついそちらに気を取られてしまう。
【全く当てはまらない5点、あまり当てはまらない4点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる2点、非常に当てはまる1点】
②私は挫折してもめげない。簡単にはあきらめない。
【全く当てはまらない1点、あまり当てはまらない2点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる4点、非常に当てはまる5点】
③目標を設定しても、すぐ別の目標に乗り換えることが多い。
【全く当てはまらない5点、あまり当てはまらない4点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる2点、非常に当てはまる1点】
④私は努力家だ。
【全く当てはまらない1点、あまり当てはまらない2点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる4点、非常に当てはまる5点】
⑤達成まで何ヶ月もかかることに、ずっと集中して取り組むことがなかなかできない。
【全く当てはまらない5点、あまり当てはまらない4点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる2点、非常に当てはまる1点】
⑥一度始めたことは、必ずやり遂げる。
【全く当てはまらない1点、あまり当てはまらない2点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる4点、非常に当てはまる5点】
⑦興味の対象が毎年のように変わる。
【全く当てはまらない5点、あまり当てはまらない4点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる2点、非常に当てはまる1点】
⑧私は勤勉だ。絶対にあきらめない。
【全く当てはまらない1点、あまり当てはまらない2点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる4点、非常に当てはまる5点】
⑨アイディアやプロジェクトに夢中になっても、すぐに興味を失ってしまったことがある。
【全く当てはまらない5点、あまり当てはまらない4点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる2点、非常に当てはまる1点】
⑩重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある。
【全く当てはまらない1点、あまり当てはまらない2点、いくらか当てはまる3点、かなり当てはまる4点、非常に当てはまる5点】
<アメリカ人の成人のスコア>
10% 2.5
20% 3.0
30% 3.3
40% 3.5
50% 3.8
60% 3.9
70% 4.1
80% 4.3
90% 4.5
95% 4.7
99% 4.9
ちなみに、私のスコアは4.0だったので、アメリカ人の成人60%よりも「やり抜く力」が強いらしいです。比較がアメリカ人ですが、平均よりやや強めと言えるでしょうか。
そして、子育てにおいては、どんなに嫌になって逃げ出したくても、途中で逃げ出すことはできません。ですから、子育て経験を経たママは、自然とやり抜く力は伸びていくのではないでしょうか。
「やり抜く力」は伸ばせる!
もちろん、スコアが低くても、落ち込まなくて大丈夫です^^親や子どもの「やり抜く力」は遺伝要因があるとはいえ、環境によるということも大きく、伸ばすことができます。その「やり抜く力」の伸ばし方は長くなるので、別記事でご紹介していきます!ということで、今回は、「やり抜く力」が人生の達成において、かなり大切な要素であるということをピックアップさせていただきました。
🌟参考文献
↑ボリュームのある本。大切なことがぎっしり詰まっています!今回は、例文などを入れられれば分かりやすくなるとは思いましたが、長いので例文などはなしで、かなり簡単にまとめました😓もっと知りたい方はぜひ読んでみてください。かなりオススメで、何度も読み返したい1冊です。
こちらも参考になる🔻
↑妊娠中から幼児期まで、様々な情報が書かれていて、一度は読んでおきたい一冊。