マスクと手洗いの有効性
マスクと手洗いの効果は広く信じられていますが、本当に効果があるのでしょうか。
インフルエンザについてですが、マスクと手洗いの効果を調べた比較試験があります。インフルエンザと新型コロナウィルスの大きさがほぼ同じで両者とも上気道を介して感染するので新型コロナの参考になるはずです。
その比較試験ではインフルエンザの季節が始まる直前に、大学寄宿舎に住む男女の学生1400人強を3つのグループに分けています。
①マスクをつける
②マスクと手洗い
③何もしない
という3グループです。そして6週間、その生活を続けてもらいました。
結果その全期間中に「インフルエンザ様症状」を発する学生の割合は、3グループともほぼ同じで、統計的な違いは見られませんでした。
結局、インフルエンザ予防のためにはマスクも手洗いも無意味、ということになります。
僕はこの試験結果を知っていたので、新型コロナが流行し始めた当初から、マスクと手洗いには懐疑的でした。それにしても、新型コロナでの研究があれば知りたいものだ、と思っていました。すると2020年の11月に新型コロナでの研究結果が報じられたのです。
デンマークで実施された「比較試験」です。医学的に最もエビデンスレベルが高いとされる臨床試験の方法です。
6000人を無作為に2分して「外出時にマスクをするグループ」と「マスクをしないグループ」とに分けています。
そして1ヵ月の感染状況を調べると、
新型コロナの感染率は
マスク群 1.8%
マスクなし群 2.1%
0.3%の違いがあるじゃないかと思う方もいらっしゃるでしょうが、統計学的には意味のある差とは言えません(平たく言えば「同じ」)
しかしこの重要情報が、全くと言っていいほど世間に広まっていません。国民にマスクをつけさせたい勢力が、情報拡散を妨げているのだろう、とみています。
では「うがい」の効果はどうか。
インフルエンザの季節にも「うがい」が推奨されていましたが、それが有効だとする研究結果は無いようです。新型コロナについても研究されているのかどうか、寡聞にして知りません。そこで理論的に考えてみましょう。
新型コロナが最初にとりつくのは上気道の粘膜です。感染初期は鼻の奥に取りつくウィルス量が多く、途中からは「扁桃」や「のどちんこ」などからなる「のど」のウィルス量が増えてくる、と言われています。ところが、うがいによって洗い流せそうなものは、「のど」にあるウィルスであって、鼻の奥のウィルスを洗い流せないのです。
そのうえ新型コロナウイルスは、粘膜に接触すると即時に(おそらく1 〜2秒)で粘膜細胞に入り込んでしまい、感染が成立します。とすればうがいをしても後の祭りでの意味であるように思います。
P68より