自己肯定感の定義は様々ですが、この感情を支えているのは自分はできるという「根拠のない自信」。自分はできると信じている人は逆境や困難に直面してもチャレンジを繰り返し、成功体験を積み重ね、「根拠のない自信」を根拠のある自信に変えていくパワーも持っています。これとは反対に「根拠のない自信」が小さいと、失敗するのではないかという不安が、目の前に大きく立ちはだかり、踏み出せなくなり、新しい挑戦がしにくい人生になり、消極的な態度が形成されてしまうのです。
p14
レジリエンスとは、失敗や挫折など強いストレスに直面した際の、逆境力・回復力を跳ね返す力、折れない心という意味で使われる言葉です。レジリエンスは、どうやっても曲がらない鋼のような強さではなく、曲がってもすぐ戻る竹のように、しなやかな抵抗力であり、失敗や挫折をバネに、さらに大きく成長していける力といえます。これからのグローバル競争を生き抜くには、チャレンジ精神という力強い推進力と、失敗や挫折をバネに飛躍するレジリエンスの2つを兼ね備えていることが重要です。これらは異なる力に見えるかもしれませんが、共通する土台の上に成り立っています。それが自己肯定感です。
p18
自己肯定間が下がっている子供のサイン。年齢にかかわらず子供は不安になると必ずサインを出します
【乳児期】
・赤ちゃん返り(まとわりつく、おねしょ、夜泣き)
・強いおびえ(新しい場所や環境を極端に怖がる)
・強い人見知り(見知らぬ人を極端に怖がる)
・強い母子分離不安(親からひとときも離れられない)
・集団になじめない(1人で遊ぶことが多い)
・目が泳ぐ、目を合わせない、相手の顔を見ない
・声が小さい、はっきり言わない
・人前で発言しない、目立つ行動を避ける
・爪噛み、頻繁なまばたき(チック)
【児童期】
・人と視線を合わせない、相手の顔を見ない
・声が小さい、はっきり言わない
・友達や周囲の人と関わりたがらない
・孤独を好む、家の外に出たがらない
・指示待ち、自主性積極性がない
・成績が落ちる、学校に行きたがらない
・親に対して反抗的になる
・無理、どうせ、〜なんかなどネガティブワードが増える
・集中力の欠如、飽きっぽい、人の注意は無視する
・嘘、言い訳、責任転嫁が増える
・友達がいない、親友がいない
子供との皮膚接触を多くして、親の感情を実感させることです。乳幼児の場合、母親との心地よいスキンシップを増やせば、自身はすぐに回復します。抱っこ、添い寝、一緒にお風呂に入る、手足のマッサージをするなど心地よい皮膚接触を通して、愛され受け入れられている実感を伝えてください。小学生以上の子供にも抱きしめたり、頭や髪を撫でてあげたり、肩や背中を擦ったりというスキンシップが有効です。また、子供と同性の親が子供の好きなことを一緒にするのも効果的です。男の子であればスポーツで汗を流したり、女の子であればごっこ遊びにとことん付き合ってあげるのです。
p28
日本人の自己肯定感は生まれつき低いのではなく、年齢につれて下がる割合が大きいというのが正しい見方です。小学1年生から中学にかけてずっと自己肯定感は下がっていきます。
P37
保育園や幼稚園など、新しい環境にスムーズに適応できれば、自己肯定感が上がり、うまくいかなければ受け入れてもらえないと感じますから自己肯定感は下がります。いかに集団社会にうまく適応できるか、周りの人に受け入れてもらえるか、が自己肯定感に影響するのです。
P40